木曜から3泊4日でコペンハーゲンとマルメへ。

大学生の頃からデンマークのバンドMewのファンで、一時期はファンサイトをやったりもしていた私には、いつか彼らのライブを本国デンマークで見たいという野望があった。しかし、スウェーデンに引っ越してきたことで実現の可能性はグッと高まったものの、ライブがあっても忙しい時期だったり平日だったりしてなかなか実行出来ずにいた。そこに去年の夏、Mewコペンハーゲンフィルが共演するスペシャルライブが2月にあるという告知を見て、「行くならこの機会だ」とすぐさまチケットを予約。しかし、チケットを予約した時点では公演は半年も先だったので、すっかりその事を忘れてしまい、気がついたのが2週間前。慌てて上司に休暇のお願いをし、飛行機とホテルの手配をし、やっと具体的な予定が決まったのだった。

コペンハーゲンを訪れるのは3回目。今回は中央駅近くのHotel Alexandraに泊まってみた。いかにもデンマークらしいレトロなインテリアの可愛らしいホテルで、北欧デザイン好きの人なら一気に気分が盛り上がるはず。お値段もそこまで高くなく、シングルスーペリアを予約していたけれど、ダブルにアップグレードしてくれた。お部屋は広々とこそしていないものの、アイロンやケトルも揃っていて、バスルームは浴槽もあるし、デスクの上にはBluetoothのスピーカーも。近くに夜遅くまでやっているIrmaもあるので便利。

 

実はこの日は、本来の目的であるコンサート以外に、もうひとつ行く予定の場所があった。数日前にThe Guardianのサイトの記事で、世界のベストピッツェリア10軒に唯一イタリア以外のヨーロッパの国から選ばれた店、Bæst。記事を見てすぐに予約をしようとしたところ、既に開店時間の5時か、9時半以降しか空いていなかったので、5時に予約してコンサートに間に合うよう食事をする事にした。

お店のメニューはそんなに品数は多くなく、シャルキュトリー、チーズ、ピザがメイン。私はシャルキュトリーのスモールプレートと、サーディン・自家製モッツァレラ・サルサヴェルデのピザを注文。シャルキュトリープレートは、4種類のハム類とレバーパテ。ハム類は特筆するほどではなかったけれど、レバーパテは添えられたアップルマスタードとの相性が最高で、これは赤ワインを飲まずにはいられないと、ビール1杯で終わらせるつもりがワインを追加してしまった。ピザは、生地がしっとりしていて、弾力があってもちもち。自家製のモッツァレラもミルキーでもちもち。確かにこれは美味しい。しかし、胃の中での重量感がすごい。一口飲み込む毎に胃の中にドサッと落ちていく感じ。結構な大食いの私が昼食を抜いて挑んだけれど、ピザを食べきる頃にはほぼ限界に達していた。少食な人は、おそらくピザだけでも1枚食べきれないと思う。

しかし胃がどんなに重たくても、お酒でちょっとクラクラしていても、コンサートは待ってはくれない。ピザを食べきった時に既に6時を過ぎていた為、慌ててUberを手配し、配車中にお会計を済ませ、店を出て車に飛び乗り王立音楽院のコンサートホールへ。思っていたよりもずっと小さなホールで、5列目の私の席からでもステージがかなり近く感じた。たった1夜、2公演の為にオーケストラとバンドが準備して、この小さなホールで限られた観客の為に演奏してくれるのを見られるなんて、なんという贅沢だろう。(しかもチケット代は日本円にして4500円程度だ)

予定の時間を少し過ぎて、白いシャツに黒いパンツで揃えたバンドとコーラスの女性2人が登場し、Making Friendsからスタート。この日のJonasの歌声は本調子ではない感じがしたものの、やはりMewの曲・Jonasの声とオーケストラの相性は抜群。Satelliteなんて、あまりのドラマティックさに思わず「フフッ」と笑いが出てしまった。その他Water Slides, Louise Louisa, White Lips Kissedなど本編8曲、アンコールでは新譜から先行公開されているCarry Me to SafetyとComforting Soundsを演奏して終了。Comforting Soundsが生オーケストラで聴けるなんて本当にファン冥利に尽きる。この日の公演のタイトルは"60 minutes with Mew"だったのだけど、なんとも貴重で、充実した60分だった。この先こんな公演が実現する事がまたあるかわからないし、コペンハーゲンまでわざわざ来て本当に良かった。

コンサートの余韻で胸いっぱい、まだまだ消化中のピザでお腹もいっぱいなので、バスでホテルの近くまで直行し、Irmaに立ち寄ってホテルへ。せっかく浴槽があるので(私のアパートにはない)熱いお湯を張ってふやけるまで長風呂し就寝。